早くも7月
早くも7月
だいぶ投稿をサボってしまいました。
お店の為に動いたことをしっかりと綴らなくてはと思い、
記憶を整理しながら綴り直したいと思います。
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5月に
尊敬する高田造園設計さんの仕事に3日間
お手伝いに行きました。
千葉にある個人私有の広大な庭?山?の水脈の環境改善です。
樹が元気が無く、草も外来種が多く健全な環境ではない状態を
元の健康な里山へ戻す作業です。
環境の悪化の原因は水脈の滞り、
土中の水の流れを読み解きながら作業の手順を高田さんが指示します。
家の裏手の法面の界に溝をほり1m間隔で縦穴をほり、
水が地中へと自然に透水するようにベース作りをします。
一番手前には穴の大きさ、深さを別にした大きな縦穴を掘り、
落差で水に動きをつけ自然の流れにします。
ただ穴を掘るだけではダメでしっかりとした理論がそこには存在します。
以前講習を受けた
杜の園芸、矢野さんの『大地の再生講座』と同じ考え方です。
例えば、
家の庭などが雨の後ずーっとグニュグニュしているとか、
植物が育たない、すぐ枯れる、などといったマイナスを溝を掘るだけでも
少し改善できます。
水と風。
この二つを読み解きながら環境づくりをする。
人が心地よいと思う場所を作れば、
植物もまた心地よい(=植物は元気に育つ)
溝は多孔質の瓦を割った塊や木炭、剪定枝、などを入れ微生物や菌糸が広がるように
工夫されています。
溝から内部に向けて改善が自然に進みます。
縦穴には木炭と中央に竹の節を抜いた筒状にしたものを入れ、
通風口にして溝に風の流れを作ります。
ガラ(掘って出た石)や剪定枝も無駄なくそのエリアで使用し循環させます。
雑なように見えますが、とても自然で丁寧な仕事です。
そしてよく環境に馴染みます。
コンクリートのU字暗教や砂利などは一切使いません。
自然の理にかなった仕事です。
広いエリアも水道を作り縦穴が掘られます。
夏場、ヒルが大量に発生するそうですがこの改善でヒルが出なくなるようです。
オーナーさんから
『雨も降っていないのに、沢の水の落ちる音が3倍くらいになった(水が増した)』
とお聞きしました。
淀んでいるところを改善するだけで、その土地が生き返る。
日々改善ですが、すごく大事な事。
コスト重視で人工的に作りすぎてしまっている部分が今たくさんあります。
昔からの自然の定義をもう一度紐解き、
自然の理を理解しながら仕事を進めていきたいと思いました。
ガーデナーはデザインだけではダメ。
その環境にあった工事を見極めるために、
環境を読み解く力も必要。
建築も土木も一体になって考えないと、
そこの場にいる人間、生物もどんどんと簡素化されて
つまらないものになってしまう。
高田さんのように、
しっかりと言葉で綴れるような仕事をしていきたいと思いました。